一時期ユダヤ人の方を部下にして仕事をしていた時期があります。雇用契約や報酬に関しては当然書面で交わしていく事になりますが、彼らは文書の読み込みを我々が想像する以上に細かく行ってきます。
ここで問題とされるのは書かれていない事はOKなのか、NOなのかという事や雇用契約に「記載されていない」労働や活動を行った場合にその費用は誰が負担するのか、といった事。(いわゆるScope of Job descriptionというやつです。)
日本人ならば比較的まぁ良いかと終わってしまう事も業務スタートの時点で入念に打ち合わせしておかないといけない、言った、言わないで後々揉めて嫌な気分になります。気分だけなら良いですが係争になることも。
さて、実際に輸出や販売契約を進めていく上で以上の様なポイントがヒントになったりします。
アジアには印僑と呼ばれるインド出身の方々が商売を多くされています。(華僑のインド人版ですね)私の場合、印僑の彼らと毎回打ち合わせした内容が(彼らの都合の良い方向で)次の打ち合わせで変更されているという目に何度も会いました。 そこで対策として打ち合わせた内容をその場で議事録にして先方のサインをもらうと言った事をしていました。若かりし頃、小型プリンターを持ち歩いていたのが懐かしいです。
ただ、そこで誰が何をするか決めてサインを取っておけば、打ち合わせが徒労に終わる事が無いです。
冒頭のユダヤ人の例、そしてこのインド人の例、日常の議事を文章に残して署名するという習慣がなかなかついていない日本人には難しい事なのかも知れませんが、「言った」「言わない」を回避するには良い対策では無いかと思います。
先日、某国進出企業が2年程、事業展開した後、現地パートナーと破談になったというお話しを聞きました。業務として関わりはありませんが、どちらもスタートアップ時にお会いした事があります。スタート時はこれからの計画を意気揚々と語っておられましたが、思っていた様には進まなかった様です。 聞けば業務履行上の条件で言った、聞いてないと言う様な内容が発生した様です。 やはり議事録も含め、本当に大切な話し合いは後々言った、言わないという事態が発生しない様にしたいものです。