“合意したはず”が通じない世界
日米間の関税交渉における食い違いは、グローバルビジネスにおいて「合意」とは何かを改めて考えさせられる事例です。
この問題は国家間交渉に限った話ではありません。海外企業との取引、パートナーシップ、共同開発プロジェクトなど、日々のビジネスの中でも頻繁に起こり得ることです。
- 「了解した」と思っていた内容が、相手の理解とは違っていた
- 「当然伝わっている」と思っていた前提条件が共有されていなかった
- 「口頭で合意した」はずが、相手は「検討段階」としか認識していなかった
こうしたズレは、特に文化や言語、契約に対する感覚が異なる国・地域では起こりやすくなります。
なぜ認識がズレるのか?
- 言語のニュアンスの違い:日本語の「あいまいな合意」は、英語圏では通用しないことも。
- 文化的な解釈の違い:「言わずもがな」「空気を読む」はグローバルでは通じない。
- 契約観の違い:日本では“信頼”が前提、欧米では“契約書”が基準。
対策:ズレを防ぐ5つの原則
| 原則 | 内容 |
|---|---|
| 1. 議事録を残す | どんな小さな会議でも記録を作り、相手に確認依頼をする |
| 2. 覚書(メモランダム)を交わす | 契約前でも、重要な合意は文書化しサインをもらう |
| 3. 要点の再確認 | “念のため確認ですが〜”の一言が認識ズレを防ぐ |
| 4. 言葉の定義を明確にする | “納品” “正式合意”など、曖昧な言葉を明示化 |
| 5. 第三者の目を入れる | 通訳・現地法律家など外部のチェックを活用 |
日米関税摩擦からの教訓
今回の関税措置に関して、日本側は「一定の理解があった」と説明しましたが、合意文書が存在しない中では“言った・言わない”の水掛け論に終わるのが現実です。
国際交渉において“文書化されていない合意は、合意ではない”という鉄則を改めて考えさせられました。
ちなみに中国もアジア的な要素が多いものの雇用契約、売買契約ともにどちらかと言えば欧米的と捉えるべきでしょう。
まとめ
- どれほど丁寧な交渉をしても、「言ったつもり」「伝わったつもり」は誤解を生む
- 合意内容は、感覚ではなく明文化によって確実なものになる
- グローバルビジネスでは、書面に残すこと=信頼の構築 である

