海外輸送の破損クレームは、「運が悪かった」で片付けられがちです。
しかし実務では、原因を分解すると 梱包仕様が曖昧 だった、というケースが非常に多いです。
製品の品質が良くても、梱包が輸送モード(海上/航空/国内横持ち)に合っていないと、輸送中に壊れます。
そして一度壊れると、代替品・再製作・再輸送・納期遅延で、損失が連鎖します。
押さえたいポイント
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梱包は「箱に入れる作業」ではなく、仕様として合意しておくべき取引条件である事
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破損の多くは、固定方法・防錆/防湿・取り扱い表示の不足で起きる事
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クレーム時に揉めないために、梱包前後の記録(写真・リスト)を残す事
なぜ梱包で壊れるのか
海外輸送は、想像以上に“荷扱い”が荒くなります。
振動、落下、積み替え、湿気、塩害、長期保管。これらが重なります。
この時、次の弱点があると壊れやすくなります。
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木箱の強度不足、内部固定不足(中で動く)
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防錆対策不足(海上輸送の塩害・結露)
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重心表示・吊り位置表示が無く、フォークで突かれる
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「天地無用」等の表示が無い、または現場が理解出来ない表示
梱包仕様は“製品の一部”として設計する必要があります。
実務チェックリスト
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輸送モード(海上/航空/陸送、混載/専用)を前提条件として固定する事
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木箱仕様(材質、板厚、補強、パレット一体か)を明記する事
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内部固定方法(ボルト固定、当て木、緩衝材、バンド)を具体化する事
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防錆・防湿(VCI、防錆油、乾燥剤、アルミラミネート、真空)を決める事
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外装表示(重心、吊り位置、Fork禁止部、天地無用、品名、ロット)を標準化する事
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梱包リスト(Packing Listと一致させる。箱No.と内容物の紐付け)を作る事
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記録(梱包前後、固定状況、封緘、外装表示の写真)を必ず残す事
クレームを“輸送事故”にするか“製造責任”にするか
破損時の責任分界は、Incotermsや保険、検収条件とも絡みます。
ただ現場では、まず「梱包写真があるか」で流れが決まる事が多いです。
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梱包状態が適切で、外装にも破損痕がある → 輸送事故として整理しやすい
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梱包が弱い、固定が甘い、写真が無い → 製造側の責任に寄りやすい
だから、梱包は仕様化と記録が重要になります。
まとめ
破損クレームの多くは、梱包仕様で事前に防げます。
梱包を“現場任せ”にせず、取引条件として合意しておく必要があります。
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梱包を仕様として合意する事
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固定・防錆/防湿・表示を具体化する事
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梱包記録を残す事

