インドでダリット出身の大統領が誕生し話題になっています。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6247649
http://www.asahi.com/articles/ASK7N5HD8K7NUHBI02G.html
インドの身分制度については比較的有名ですが、実はタイにも身分制度が昔、存在していた事を知る人は意外と少ないです。 (ちなみにタイ在住30年の友人も知りませんでした。)
サンスクリット語のSakti(力・威力)とタイ語のNa(水田)の混成語が語源とされるサクディナと呼ばれるものがそれにあたります。
国王が個人に付与した威信を水田の面積を持って示すタイの伝統的制度で1454年に開始され、1932年に廃止されるまで存在したそうです。 王族、公務員、軍隊、平民、奴隷まで、身分により与える土地の大きさが変わった事で、その後、長く続く国の文化的背景を形成したともいわれています。
(図はイメージです)
社会的地位、年齢、組織でのポジションで複雑な力関係があるのもこの歴史的背景があるとタイの経営学では教えています。
簡単に言うと「When the Boss is right, he’s right, when the boss is wrong, he’s right」 という様な感じです。
タイ人と働く際に頻繁に出てくる言葉で「グレンチャイ」という言葉があります。
遠慮するという意味でつかわれる事が多いですが、その他、引っ込み思案、はっきりものを言わない、遠回し過ぎて何を言いたいか良く分からない、といった現象を言います。
実際に会議をしてみるとあまり発言をしたがらない、ボスに向かっては直接文句を言わないといった光景にしばしば出くわす事もあります。
この辺は実は日本とも似ているとも言え、日本人がタイで働くと比較的馴染む人が多いのも頷けるところです。
この様なバックグラウンドを理解して輸出の為の商談、あるいはパートナー探しの際に相手側の真意を聞き出すためにあの手、この手で質問の仕方を変えて本音を聞き出せば、「言っていない」「聞いていない」といった交渉時の失敗は回避できるかも知れませんね。