駐在員が定期的に変る事の意味

連日カルロスゴーン氏のニュースで世間が賑わっています。

これに関連する様に思うのですが、先日受けた質問の中で「駐在員って何年くらいの周期で行かせればよいですか」というものがありました。 なかなか難しい質問ですが一般的には3年~5年と規定している会社が多い様です。

さて何故期間を設けるかという理由ははっきりと謳われていない事が多いようですが、それ以上長くしない理由を考えるとリスク回避と言うのが一番ではないでしょうか。

・長く業務に携わる事で情報あるいはノウハウが集中する可能性

・長く業務に携わる事で社外人脈を私物化する、あるいは癒着を生み出す可能性

・長く業務に携わる事で後任のチャレンジ機会を逸する可能性

あくまでも可能性の話で、そのほかにも色々とあるのかも知れませんが集約するとこの様なポイントになるのかなと思います。

情報、ノウハウが一人に集中してしまうと仮にその人物が事故に会う、あるいは病気になる、突然退職する等の場面に出くわした場合、リカバリーに相当の時間と費用を費やす必要が出てきます。

また長く一定のポジションを維持する事でその会社の社内、あるいは社外ポジションを確立しますので社内ではあの人に話を通さなければ中々案件が進まない、社外でもあの人とうまく付き合わないと仕事が回してもらえないといった状況が生まれます。 勿論ポジティブな方向に進めば良いですが、これが私物化されてしまった時に失うものも非常に多くなる様に思います。 オーナー会社ならまだしも株式会社、しかも上場会社で資産を私物化するというのはなかなか許されないものでは無いかと。

そして最後に長く務める事で後任が入る隙間が無くなってしまうので結果として若い人材の育つ機会を逸失する、機会損失が発生するのではないかと思います。

そういう理由で任期というものを作り、回りから監視機能を付けたり、仮に交代になった場合でも速やかに引き継げるような環境をすくるのが一定規模の組織では望ましいという事ではないでしょうか。

それにしても神格化された様な人物でも客観的に見て「せこっ」という事になっているのは何処までいっても人間はやはり人間という事なんでしょうか。

 

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