飛び技がない海外事業

今年は春以降くらいから海外事業に関してコンサルティングをする案件が多かった様に思います。

ご相談を受ける中で感じる事は海外だから何か特別な事が出来るんじゃないかという期待や過信があるという事です。

1.中国市場は広いから日本ではあまり売れていないけど拡販が可能なのでは?

2.海外事業は難しいから先ずは日本語の出来るマネージャーを雇おう!

3.人数が少ない海外法人なので社則はあまりしっかり作ってません。。。等々

1.中国市場は広いからチャンスはものすごく大きい、でも日本で人気のないものは中国でも人気は出ない。

2.言葉が出来ても仕事が出来なければ意味がない、先ずは自社の製品と文化をよく理解する現地人材を育てること

3.人数が少なくても多くても対社内・対社外で常に様々な起訴リスクに晒されていると認識する事。

最初に専門家に相談する費用をケチったり、あるいは相談する相手が間違っていたりという状況で仮に失敗した場合、時間を巻き戻す事が出来ず、そのコストは計り知れません。相談を受けていて一番難易度の高いものはある程度出来上がった失敗例を回復させることです。企業には文化があり、大小はあるものの、大抵はその文化に沿って社員は行動します。つまり今目の前に見えている成功も失敗も実は数年前にさかのぼった行動・思考が表れている状態です。ですからそれを客観的にみて正しいと思われる状況に戻すのは相当な労力が必要です。

たとえ小さくても海外法人を設立し人員を雇用したら定款を作る、社則を作る、教育スケジュールを決める、営業戦略を立てる、実行に移し結果を求める。

→ビジョンやミッションを考える、それを共有する、そこに向かっていく為の行動方針を決める、そして一定期間後その行動を振り返る。

こういう当たり前に思えるルーティーンが無いまま進む事も企業文化という会社があっても当然ですが、そもそも文化・風土や言語が違う場合、同じ民族である日本人同士とは異なった考え方の方が多いという前提に立ち、如何にフレームを作って経営者の思った方向に皆が向かっていくのかという事は非常に大切な事では無いかと思います。

大切なことは当たり前のことを当たり前に出来ているかということ。

素振りをしていないのにヒットやホームランはなかなか打てないという事を日本以上に意識することではないかと思います。

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