輸出小国日本

「日本人の勝算」という本を読んでいます。

その中に「輸出小国日本」という非常に面白い表現がありました。

輸出総額で見た場合、日本は世界第四位と世界的に見て優位な位置にあると感じがちだが実際の所、人口一人当たりに試算しなおした輸出額、あるいは対GDP比でみた場合の輸出額からも数字的に捉える必要があるというものです。

人口一人当たりの輸出額は実際には世界44位、また対GDP比ではさらに下がって世界第117位であり日本経済の輸出潜在能力は十分に発揮されていないというものです。

一人当たりの輸出額で見るとドイツは17,061ドルであるのに対して日本は5,359ドルと半分にも満たないと著書では警笛を鳴らしています。

実際、日本の場合、一部の大企業が総額を押し上げているものの殆どの中小企業は海外って何?という感じの印象が拭えません。 ヨーロッパは地理的なものもあると思いますが比較的簡単に国境を超える事が可能であり人的交流はもとより物的交流も盛んであると一昨年スペインの鋳鉄企業(中小企業)を訪れた際に深く感銘を受けた思い出があります。

幸いにも?!アベノミクスのバズーカ砲のおかげでインバウンドが拡大、すなわち円安への誘導、大企業の設備投資意欲の拡大等々があり国内は供給過多の方向へ(インフレとは逆方向へ)向かった様に感じています。 実際、海外から来る観光客がレストラン等で「やすっ!」と円安+物価の低さに感動している場面に出くわします。(円安、デフレ=世界的にみた日本の価値が安くなっている) インバウンドに対する政府施策も拡大の方向を辿ており海外からの訪日客が増加している=海外資本に日本製品を販売するという図式が国内で成立しているのは見ての通りかと思います。

一方で海外展開支援に関する公的資金は予算が減らされた、成果がないと予算の捻出が難しいというお声を公的機関から頻繁に聞く様になっています。 これは前述の輸出小国であるという現実とは逆の流れになっておりなかなか難しい状況に直面しています。

こういった側面がある中で当社は日本の技術あるいは製品を海外へ売り込む事に取り組み本当に微力ですが何とか輸出小国から輸出国へ向けた一助になるべく引き続き努力していきたいところです。

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