デジタルペイメントの衝撃

先週の北京出張では都合5日間滞在しましたが、殆ど現金を見る事がありませんでした。

中国への渡航は毎回なにがしかのショックがあるものですが町中の屋台や道端の花屋(といっても単に道端に花を並べているだけ)で支払い用のQRコードがぶら下げてあるのを見ると文明の利器を皆が使いこなしている事に感動を覚えるとともい一抹の不安も覚えてしまいます。

スーパーで100元札を出すと釣りを出すのにちょっと面倒くさそうなレジ店員の仕草も印象的でした。

中国の税収は発票と言われる税務局が発行する所謂インヴォイス兼領収書で管理されています。 以前は町中で偽物の発票が溢れており会社の精算でも社員が偽物を使ってあたかも何某かの経費を使った様に見せかけるのを見破るのが本当に馬鹿らしい作業でした。

またATMや両替商で偽札が混じっていたりする事もあり、経理部門で扱う現金も専用の感知器でチェックしたりと有り得ない無駄な作業が多かったのも事実です。

デジタルによる支払いはこの二つを一挙に解決しようとし且つ税務番号と支払い内容を一括管理し税金と紐づける事を容易にし、しかも国を挙げて文明をまっしぐらという様なプロパガンダを掲げて街角の露天商に迄、デジタルペイメントを浸透させるという管理国家へ進んでいる所がとてもショッキングです。

日本は現金がまだまだ幅を利かせていますので正式な領収書を発行しない限り一般的な原価と売価の比率でしか脱税を見破れない様な業界もありますので、既得権がある限り現金社会は続きそうな気もします。

(CRコードでレストランの支払いをしている様子)
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