先日、海外企業との取引と日本国内での取引の一番大きな差は何か?という質問があり、色々と考えていましたが大きく分けると3つになるのではないかと思いいたりました。
◎時間の感覚
体感で一番大きな差だといつも思うのは時間に対する感覚です。
例えば「直ぐに返事してください」の「直ぐに」は非常に感覚的な言葉でもあると思いますが、ではどれくらい直ぐにやってくれるのでしょうか。これは大きな問題です。 日本でこちらが急いでいる事を伝え、しかも仕事上の関係であれば直ぐには今直ぐに取り掛かるという事でしょうし、もしも無理な場合は何時いつから取り掛かれる旨を説明するのではないでしょうか。 海外事業ではやはり直ぐには5分以内でと伝えないとどれくらい直ぐにかが表現できないという不自由さがあると思います。 契約に至るプロセス、仕様決定のプロセス、手配納期のプロセス、全てにおいて時間的感覚が付きまとってきます。 海外企業の「直ぐに」はやはり基本的には自分に優先順位があり、その順位を決めるのは我々ではなく彼らであり、直ぐに取り掛かってくれる場合はそれだけ優先順位が高いという事になってきます。 問題なのは全ての取引先について我々の優先順位が高いとは限りませんので時間的感覚は「分」、「時間」、「日」にちできっちりつめていく必要があります。
私の経験で一番待たされたのは面談時に1minuteといって出て行ったインド系の取引先が何時間たっても戻ってこないという経験もあります。(この場合、その時の私の優先順位は非常に低かったという事なんですが)
◎結果重視 VS プロセス重視
結果に至る迄のプロセスはそれほど重視しないがとにかく結果を出せと言うのが大きな違いではないかと思います。 特に日本を除くアジアでは結果が良ければ途中何をしていてもあまり気にならないという感覚が未だに根強い様に感じます。 日本人の感覚としては結果を出すために先ずはこれと、あれと、あれを準備して打合せ会議を開いて、根回ししてタイムスケジュールを決めてととにかくプロセスを細かく決める事が多いです。そのため、物事や製品の再現性という意味では日本が非常に優れていると言えますが、結果を出すため、あるいはプロセスを短縮する為の突飛なアイディアは非常に出にくいのではないかなと思います。
◎雰囲気は読まない
日本の場合、契約に落とし込まずに物事が進んだり、雰囲気を読んで忖度したりという事が政治のみならず企業間でも良く発生しますが、海外事業の場合は何をやるにつけ契約で縛って来る事が多い様に思われます。 相手が良い人というベースの考え方ではなく、相手は裏切る事が前提となって話が進むと言えるかも知れません。
あくまでも自身の経験から感じる事なので実際にはそんな事ないとおっしゃる方もおられるでしょうし、いやいやもっとあるよと言われるかも知れませんが、端的に挙げればこの三つでは無いかと思っています。