「言った・言わない」を無くす、仕様書

海外取引でトラブルが起きる原因を突き詰めると、最後は「仕様の曖昧さ」に行き着くケースがあります。
メールや口頭で合意したつもりでも、相手の理解は別物だった、という事は珍しくありません。

そして怖いのは、製造が始まってからズレに気付くパターンです。
ここから修正すると、時間も費用も一気に膨らみます。


押さえたいポイント

  • 仕様は「相手が同じ絵を見ている」状態にするまで、文書で固定する事

  • 仕様書は完璧を目指すより、まず最小セットを作って運用する事

  • 仕様変更が起きる前提で、変更手順(誰が承認するか)まで決める事


なぜ仕様書が無いと壊れるのか

海外取引では、言語だけでなく「常識」「前提」「品質基準」が違います。
こちらが当然と思っている内容(材質、仕上げ、公差、検査)ほど、相手には書いていない=要求していない、と解釈されがちです。

また、仕様が曖昧だと、問題が起きた時に 責任の切り分け が出来ません。
結果として「全体が揉める」「次の取引が止まる」につながります。


実務チェック

対象範囲:何を納めるのか(付属品・予備品・消耗品を含むか)を明記する事

  1. 性能要件:能力、処理量、出力、精度など“数値”で書ける所は数値で固定する事

  2. 材質・構成:材質、厚み、表面処理、部品メーカー指定があるなら明記する事

  3. 寸法・公差:図面があるなら図面優先、無ければ寸法と許容差を文章で決める事

  4. 検査条件:検査方法、受入基準(OK/NG)、立会い要否、検査記録の提出を決める事

  5. 梱包条件:木箱/パレット/防錆/乾燥剤、輸送モードに合わせて具体化する事

  6. 変更管理:仕様変更は「誰の承認で」「見積と納期をどう更新するか」手順化する事


仕様が固まらない時の“次善策”

現場では、最初から100%固まらない事もあります。
その場合でも、次の2つは必ずやった方が良いです。

  • 未確定事項リストを作り、決定期限と責任者を置く事

  • 優先順位(絶対条件/妥協可能)を明記する事

これだけでも、後工程の手戻りが減ります。


まとめ

仕様書は「面倒な書類」ではなく、海外取引の保険です。
特に、製造・輸送が絡む商材ほど、仕様の曖昧さがコストになります。

  • 仕様は文書で固定する事

  • まず最小セットを作って運用する事

  • 変更手順まで決める事

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