ヒエラルキー

昨日書きましたタイにおけるグレンチャイという文化の話の続きですが、目に見えないヒエラルキーというものが多くの国で存在し、組織作りの上では結構重要なポイントになってきます。

実際に経営をしていたのはタイと中国ですがインドほどしっかりとしたものはありませんが目に見えないヒエラルキーが存在する事が感じられます。

例えば何処の出身なのか、学歴は、経験は、年齢は等々。
タイの道端の喧嘩で「お前何歳や!」という様な言葉もたまに聞きますが、まずは年齢によるヒエラルキー、タイ語だと目上の人にピー、目下の人にはノンといった言葉を使う所にも表れます。 
学校も大卒なのか、そうでないのか、大卒ならばどこの大学なのか、といった所で接する態度も変わったり、変わらなかったり。 

中国における組織作りは更に難易度が上がるようです。
学歴に加え民族、出身地等様々な事を考慮して「組織図」を作る必要があり、誰から誰に指示が流れるのかをはっきりしておかないとうまく指示が伝わりません。これが逆に自分の組織図上になければ役職が上でも言う事を聞いてもらえないと言った現象にもつながります。

出身地の簡単な例だと北京の人と上海と人では全く気質が違いますし、あまり馬が合わないケースが見受けられます。(これはベトナムのハノイとホーチミンでも似た様なものを感じます。) 

組織図における縦軸と横軸の流れをうまく形成出来ればそれだけ経営陣の意思が指示として流れやすくなるという事が言えます。 ちなみに私が一緒に仕事をしていた中国のメンバーは、文革以前に既に社会人になっていた人もいて、こういった人たちは特に組織図の作り方、部署で並ぶ人の名前と名前の間につける「・」や「、」といった細部にまでこだわる人達でした。
例:「張さん・金さん」 と「張さん、金さん」で、見る人からどう見えるかを真剣に議論する人たちです。

ヨーロッパでも仕事を数年にわたり経験しましたが上下関係は勿論存在するものの比較的オープンに自分の意見が言える雰囲気がありました。 宗教や文化というものも、その国民性を強く形成するバックグラウンドという事を意識する事も大切では無いかと思います。

さて商売の話になって、B to Bの場合、このヒエラルキーというものを考えると各国とも日本以上にオーナーの力が絶大です。
数千万、数億円の投資で兆単位の売上を持つ企業オーナーが同席するケースも。

つまりB to B商売のツボはその企業の「誰に売り込むのか」という事が非常に重要なポイントになっており大組織の現地企業に売り込む場合、たらいまわしにされてなかなか権限を持ったキーパーソンに会えないケースがありますので、海外企業、特にアジアのオーナー企業にどの様に(会社内のどの階層に)アプローチしていくかは非常に重要なポイントになるのではないかと思います。

記事カテゴリー 代表ブログ. Bookmark the permalink.