三角貿易(Third Country Trade)は、商流と物流が一致しない取引です。
例えば「日本企業が売主だが、実際の出荷は中国工場からインドへ」というような形です。
利益設計や調達の自由度が上がる一方で、書類の整合が崩れると一気に詰まります。
三角貿易は、モノを動かす前に“紙”を固める取引です。
押さえたいポイント
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三角貿易は商流と物流がズレるため、書類の名義(誰が誰に売るか)を先に固定する
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船積書類(B/L等)と請求書(Invoice)の不一致が詰まりやすいので、整合ルールを決める
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税務・規制(原産地、輸出管理、送金規制)も絡むため、関係者(工場・フォワーダー・通関)を早期に巻き込む
なぜ詰まるのか
三角貿易で詰まる典型は次の通りです。
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Invoiceの売主・買主と、B/Lの Shipper/Consignee/Notify が合っていない
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出荷地と売主所在地が違い、税関・銀行・顧客が「取引実態は?」と照会する
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原産地証明(CO)や原産地表示が、商流上の国と混同される
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支払(送金)が、相手国の規制や銀行審査で止まる
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工場が「誰の指示で、誰宛に出すのか」を取り違える
つまり“いつも通り”の書類運用が通用しません。
実務チェックリスト
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商流の定義を先に確定する事(A→B→C のどの契約が存在するか)
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物流の定義を確定する事(出荷地、積出港、仕向地、輸入者、通関主体)
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Invoice/PLの名義(Seller/Buyer)と、B/Lの名義(Shipper/Consignee/Notify)を突合せる事
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B/Lの形態を決める事(Original B/L、Sea Waybill、Telex Release)— D/O発行にも影響します
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価格情報の扱いを決める事(工場インボイスと最終請求インボイスの開示範囲、顧客に見せる/見せない)
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原産地(CO)とHSコードを整理する事(原産地=出荷国ではない)
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関係者(工場、フォワーダー、通関業者、輸入者)に「最新版の条件」を共有し、窓口を一本化する
よくある“詰まりどころ”をもう少し具体に
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工場が出す書類(パッキングリスト等)に、最終顧客名が入ってしまい価格が露出する
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逆に、輸入者名が正しく入っておらず通関が止まる
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B/LのConsigneeを間違え、貨物を引き取れない
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原産地の説明が出来ず、優遇関税(FTA/EPA)が使えない
三角貿易は、書類の粒度を上げるほど事故が減ります。
まとめ
三角貿易は、商流と物流がズレる分、詰まるポイントが増えます。
名義と書類整合を先に固め、関係者を早期に巻き込む必要があります。
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名義(誰が誰に売るか)を先に固定する事
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B/LとInvoiceの整合ルールを決める事
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税務・規制も含め関係者を早期に巻き込む事

