海外取引で意外に多いのが、「検品はします」と言いながら、検品条件が決まっていないまま進んでしまうケースです。
検品条件が曖昧だと、納品後に不良が出た時に「どこまでが許容か」「誰の責任か」が整理出来ません。
結果として、値引き交渉や返品、代替品の無償手配など、取引全体が重たくなります。
押さえたいポイント
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検品は「やる/やらない」ではなく、基準・方法・記録をセットで決める事
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AQLを使うなら、“何を不良とするか”の定義が先である事(= Acceptable Quality Level(合格品質水準)
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立会い検査や第三者検査を使う場合は、不合格時の扱い(再検査・作り直し・費用負担)まで決める事
なぜ揉めるのか
不良という言葉は、実は非常に曖昧です。
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外観のキズは不良か
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寸法のズレはどこまで許容か
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性能のばらつきはどの範囲ならOKか
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梱包の潰れは製品不良か輸送事故か
この定義が無いと、「相手はOKと言う」「こちらはNGと言う」の平行線になります。
さらに、AQLを使っていても、不良の定義が曖昧だとAQL自体が機能しません。
実務チェック
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不良の定義を決める事(外観/寸法/機能/付属品不足など分類する)
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受入基準を数値で決める事(公差、性能範囲、許容傷の大きさ等)
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検品方式を決める事(全数/抜取/ロット単位)
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抜取の場合は サンプル数と判定基準 を明記する事(AQLを使うならAQL水準も明記)
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検査場所とタイミング を決める事(工場出荷前/港搬入前/到着後)
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検査記録 を提出させる事(写真、測定データ、ロット番号、合否表)
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不合格時の取り扱い を決める事(再検査、作り直し、値引き、代替品、費用負担、納期更新)
AQLを使う時の注意点(簡単に)
AQLは便利ですが、万能ではありません。
AQLは「ロットの品質水準」を統計的に扱う考え方なので、致命的欠陥(安全・法規・重大機能不良)については、別枠で “Criticalはゼロ許容” のように決める必要があります。
また、AQLの前に「不良の定義」「検査方法(測定器・測定条件)」を固めないと、数字だけあっても現場が回りません。
まとめ
検品条件を決めない取引は、最後に必ず揉めます。
検品を「作業」ではなく「合意事項」として扱う必要があります。
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基準・方法・記録をセットで決める事
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不良の定義が先で、AQLはその後である事
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不合格時の扱いまで決める事

