海外取引で「納期が守れない」問題は、製造の遅れだけが原因ではありません。
多くの場合、最初の見積段階でリードタイムを “製造日数だけ” で捉えてしまい、後工程(検品・輸送・通関)を甘く見た事が原因になります。
納期を守るためには、工程を分解し、ボトルネックを前提に織り込んで設計する必要があります。
押さえたいポイント
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リードタイムは「製造」だけでなく 検品・梱包・輸送・通関 を足し合わせた全体設計である事
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不確実性が高い工程(検品、船積み、通関)は、バッファを置く事
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“いつまでに何が必要か”を逆算し、必要書類と承認の期限を先に決める事
なぜ崩れるのか
納期が崩れる典型は、だいたいこの4つです。
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仕様が固まらない(仕様変更で製造が止まる)
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検品で止まる(不合格、再製作、再検査)
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輸送で読めない(本船スペース、混雑、天候、積替)
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通関で止まる(書類不足、照会、検査、許認可)
つまり、製造が順調でも、後ろで止まります。
実務チェックリスト:リードタイム設計
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工程を分解する事:
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仕様確定 → 製造 → 検品 → 梱包 → 出荷 → 輸送 → 通関 → 配送 → 受入/据付
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仕様確定の期限を決める事(ここがズレると全てズレます)
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検品方式(AQL、立会い、第三者検査)と、再検査時の時間を織り込む事
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梱包工程(木箱、防錆、燻蒸)の日数を織り込む事
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輸送は「標準日数」ではなく、便の確保・混雑・積替を想定してバッファを置く事
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通関は「書類が揃えば早い」が前提なので、書類確定の期限を工程に入れる事
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“クリティカルパス”を決め、遅れた時のエスカレーション(誰が判断するか)を決める事
リードタイムの見積り例
例えば「製造30日」と言われた案件でも、実務ではこうなります。
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仕様確定・手配:3〜7日
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製造:30日
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検品・是正:3〜10日(再検査があると伸びる)
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梱包:2〜7日
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輸送:海上 2〜6週間(港・積替で変動)
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通関・配送:3〜10日(照会・検査で変動)
これを最初から一つの線で引いておかないと、「思ったより遅い」が発生します。
まとめ
海外取引の納期は、製造だけでは決まりません。
検品・輸送・通関まで含めて工程設計し、バッファと期限管理で守る必要があります。
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リードタイムは全工程の合計である事
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不確実な工程にはバッファを置く事
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書類と承認の期限を先に決める事

