リードタイムの設計

海外取引で「納期が守れない」問題は、製造の遅れだけが原因ではありません。
多くの場合、最初の見積段階でリードタイムを “製造日数だけ” で捉えてしまい、後工程(検品・輸送・通関)を甘く見た事が原因になります。

納期を守るためには、工程を分解し、ボトルネックを前提に織り込んで設計する必要があります。


押さえたいポイント

  • リードタイムは「製造」だけでなく 検品・梱包・輸送・通関 を足し合わせた全体設計である事

  • 不確実性が高い工程(検品、船積み、通関)は、バッファを置く事

  • “いつまでに何が必要か”を逆算し、必要書類と承認の期限を先に決める事


なぜ崩れるのか

納期が崩れる典型は、だいたいこの4つです。

  1. 仕様が固まらない(仕様変更で製造が止まる)

  2. 検品で止まる(不合格、再製作、再検査)

  3. 輸送で読めない(本船スペース、混雑、天候、積替)

  4. 通関で止まる(書類不足、照会、検査、許認可)

つまり、製造が順調でも、後ろで止まります。


実務チェックリスト:リードタイム設計

  1. 工程を分解する事:

    • 仕様確定 → 製造 → 検品 → 梱包 → 出荷 → 輸送 → 通関 → 配送 → 受入/据付

  2. 仕様確定の期限を決める事(ここがズレると全てズレます)

  3. 検品方式(AQL、立会い、第三者検査)と、再検査時の時間を織り込む事

  4. 梱包工程(木箱、防錆、燻蒸)の日数を織り込む事

  5. 輸送は「標準日数」ではなく、便の確保・混雑・積替を想定してバッファを置く事

  6. 通関は「書類が揃えば早い」が前提なので、書類確定の期限を工程に入れる事

  7. “クリティカルパス”を決め、遅れた時のエスカレーション(誰が判断するか)を決める事


リードタイムの見積り例

例えば「製造30日」と言われた案件でも、実務ではこうなります。

  • 仕様確定・手配:3〜7日

  • 製造:30日

  • 検品・是正:3〜10日(再検査があると伸びる)

  • 梱包:2〜7日

  • 輸送:海上 2〜6週間(港・積替で変動)

  • 通関・配送:3〜10日(照会・検査で変動)

これを最初から一つの線で引いておかないと、「思ったより遅い」が発生します。


まとめ

海外取引の納期は、製造だけでは決まりません。
検品・輸送・通関まで含めて工程設計し、バッファと期限管理で守る必要があります。

  • リードタイムは全工程の合計である事

  • 不確実な工程にはバッファを置く事

  • 書類と承認の期限を先に決める事

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